魅惑のキスネコ!【完】
瞬
楽しみにしていたこの日がやっと来た。
天気は晴れ。
夏休みちょっと前の日曜日だ。
運転はジン、助手席はあたしで
後ろに二人を乗せ
やっと到着。
遊園地は相変わらず混んでいたけれど
優待チケットのお陰ですんなり入園できた。
いつもお団子頭のサヤカちゃんは
今日は髪を下ろしていてこれまた可愛かった。
そうだよね。
好きな人がいるんだもん。
気合も入る。
いいなぁ青春だなぁっ!!
ニヤニヤしながら
ポパイとサヤカちゃんを見ていると
ポパイがじろりとあたしを睨んだ。
「おばさん笑顔が気持ち悪いよ」
「!!!!ちょっ!
まだおばさんじゃないもん!!!」
きーーっと喚くあたしを
ジンが宥める。
「ははは、
本気じゃないさ。
それよりカナ、何に乗ろうか?」
ジンに促されあたしは渋々手元の案内を見る。
ポパイの言う事なんて
気にしてる場合じゃない。
楽しまないとだ。