魅惑のキスネコ!【完】

ポップコーンやアイスを買って食べつつ園内を散策。

ところどころで
アトラクションの列に並び
乗り物にも乗る。

写真を撮ったり楽しく時間は過ぎていくけれど
あいかわらずこの、

ジンとサヤカちゃん
あたしとポパイ

という陣形が崩れる事はなかった。

ポパイも終始なんだか
つまらなそうだし。

これじゃぁ
なんのために遊園地に来たのか
わからないよ。



「そんなにつまんない?」

横を歩くポパイに聞く。

「え?」

あたしをキョトンとした目で見る。

「だって今日あんま喋らないし。
ポパイ、空気悪いよ。」

「そう?別にそんなつもりはないけど。」

「サヤカちゃん誘ってみなよ。
きっと喜ぶよ?」

「はぁ?
なんで俺がそんな事しなきゃいけないんだよ」

「言ったじゃんっ、
サヤカちゃん、ポパイに興味あるんだって。」

「・・・。
カナってさぁ、目ぇ節穴?
あんな態度の女が
俺に興味あるわけないだろ。」

ポパイが顎でサヤカちゃんを指す。

サヤカちゃんは相変わらず
ジンの腕に腕をまわし
楽しそうにおしゃべりを続けていた。

「あれは違うよ。
恥ずかしくてポパイに声を掛けられないんだよ。
ポパイが声かけてくれるの、
待ってるんだって。」

「それはない。
そもそも、そんな計算高い女は嫌い。」

バッサリ

切られてしまった。

計算じゃなくて乙女心だと言いたい。
けど、今のポパイに言っても無駄っぽい。


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