魅惑のキスネコ!【完】
アリサがモーション掛けてる時のポパイは
あんなにノリノリだったのに。
サヤカちゃんの恥じらいは
ポパイには理解できないらしい。
直球で来る女の子がすきなのか。
ただ鈍感なだけなのか。
あたしにはわからないけど。
「カナ、俺さ。」
ポパイが突然口を開く。
「ん?」
「もう帰っていいかな?」
「え・・?」
ポパイのワガママが
また出た。
そう思った。
でも同時に
ぎゅっと手を握られ
それとは違うんだと感じる。
「・・・・このまま帰りたい。
カナと二人で。」
ポパイは足を止めて
そのままあたしを見つめる。
一歩踏み出そうとしていた
あたしの足も動きを止めた。
「ポパイ・・?」
あたしもその瞳を見つめた。
そして、その時やっと気づく。
ポパイの様子がなんだか変な事に。
「・・・・っ」
ポパイは
何かを訴えるかのように
あたしを瞳を見つめ続けた。
でも、何が言いたいのかまで
あたしには分からない。
ポパイの目が潤みだし
あたしの胸がギュッと痛む。
絶対、何かがおかしい。
「どうしたの?何があったの?
ちゃんと言ってポパ・・」
「おーい、二人ともー
立ち止まってどうしたんですかぁ?」
サヤカちゃんの呼びかけに
あたしは反射的に振り向いた。