魅惑のキスネコ!【完】
道の先では
ジンとサヤカちゃんが立ち止まり
不思議そうにこっちを見ている。
あたしはなんて答えれば言いのかわからなくて
またポパイの顔を見た。
ポパイはぎゅっと瞳を閉じると
片方の手であたしの背中を押す。
よろけるように歩き出すあたしと
その後ろについてくるポパイ。
胸がザワザワする。
あたし達がジンたちに追いつくと
ジンが眉をひそめた。
「あれ、シュン。
目が・・」
「目にゴミが入って取ってただけ。
早くいけよ」
ぶっきらぼうに言われて
ジンは「あ、あぁ」とこぼし
また歩き始めた。
サヤカちゃんも
ジンにつられて歩き出す。
二人の後を
あたし達はまた
無言でついて行った。
頭の中がぐるぐる回る。
ポパイの様子がおかしい。
でも理由が全然分からない。
思いつく事が何もないんだもの。
でも、分かってあげないと
取り返しのつかないことが起きそうな
そんな嫌な予感がする。
胸がドキドキと不穏に鳴る。
冷たい何かが背筋を凍らせる。
嫌な予感が止まらない。
どうしよう。
ポパイ、一体どうしたの??