魅惑のキスネコ!【完】
「俺のカナ・・。
俺、カナをアイツから絶対取り戻すからな」
耳元でポパイが囁いた。
「アイツって?」
ポパイの髪に顔を寄せたまま聞く。
「ジン。
カナが、ジンって呼んでる奴。」
えっ?
あたしは慌てて顔を起こす。
そしてポパイに言い返した
「ジン・・って。
ポパイ、あたし結婚したんだよ?
ジンはあたしの旦那さん。
だから」
「だから、何?」
ポパイの瞳が鋭くあたしを捕らえ
あたしは言葉を呑んだ。
「結婚したとか、旦那とか、俺に関係ない。」
グッと両肩を捕まれる。
「カナの事ずっと好きだった。
カナもそうだっただろ?」
「ぽ・・ポパイ・・」
「俺、ジンは嫌いだ。
カナをとられてずっとムカついてた。
でも俺今人間なんだ!
ジンじゃなくて俺と結婚してくれ」
ポパイの真剣な瞳は怒りと悲しみが混ざり
すがりつくような色をしていた。
そう、まるで捨てられた子猫みたいな・・・。