魅惑のキスネコ!【完】


ポパイの整った輪郭の端から少し長い髪がはらりと流れる。
きりっとした眉の下の瞳は少し悲しそうに、そして真剣にあたしを見つめる。

「カナ・・・」

ポパイが小さく呟くとその唇があたしの唇に近づく。

「やっ・・・だめ・・」

心臓が、どきんと高鳴り始める。

「・・いいじゃん・・俺、ネコだし・・」

甘い息が鼻頭をくすぐる。

「そ・・うだけど・・」

でも・・今のポパイはあまりにも・・

「カナって、
こんなに小さかったんだな」

唇が、近付いて来る。


ダメっ・・
キスしちゃう・・・





”ピンポーン
  ピンポーン!”


けたたましく、ドアベルが鳴らされた。

”ピポピポピポピィンポーン”


ドンドンドンッ


”有馬さん?有馬さぁあぁん??”


隣のおばさんの声が静かなリビングに響いてくる。

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