魅惑のキスネコ!【完】
ドンドンドンドンッ
”有馬さん、どうしたの?大丈夫!?”
あたしは一瞬固まったポパイの隙をついて体を捻る。
片手がするっとポパイの手から逃れた。
やった・・!と、思ったけど・・
「おっと」
ポパイはそう漏らすと
あっと言う間にあたしの片手はまた捕まってしまった。
「危ない危ない。
俺から逃げられると思ってるの?」
ポパイは意地悪く微笑み、今度はあたしの両手首を簡単に頭上で拘束し
空いた片手でクッとあたしの顎を持ち上げる。
そして有無も言わさず
その唇をあたしのそれに重ねた。
「っ・・・!」
身体が溶けてしまいそうな、痺れるような。
不思議な感覚。
そして身体の拘束がいっきに解け
変わりにバサッとタオル生地のようなものが顔に被さり視界を塞ぐ。
「!?」
突然の事に慌てふためきながら身体を起こし
そのタオル生地のものを手でつかみ顔から離した。
目の前には・・・
誰もいない。今つかんだタオル生地のそれは
さっきまでポパイが着ていたバスローブだった。