魅惑のキスネコ!【完】
「カナッ!!」
「ジン!!」
パトカーの隙間からジンが手を振る。
いそいで走りよりジンの手を握った。
「ジン!!
サヤカちゃんは・・
シュンは・・!!」
あたしがそう聞いた瞬間、
ジンは目頭を抑えた。
うなだれる姿に身体が固まる。
「・・遅かった。
サヤカが・・俺の目の前で・・
シュンを刺した。」
うそ・・でしょ。
よく見ると人の服は
血で汚れていた。
血の気が一気に引く。
嘘、嘘嘘嘘。
周りを見渡すと
警察が慌しく動いていた。
サヤカちゃんやシュンの姿は
どこにもない。
「シュンは・・・?」
「さっき救急車で運ばれた。
けどっ・・
あいつ息してなかった・・・」
そんな・・!!!
その場に倒れそうになったあたしを
警察官の一人が慌てて支えた。
「有馬さん、搬送先の病院が分かりました。
行きますか?」
彼がジンに聞く。
ジンは頷くとあたしの身体を彼から預かった。
「彼女は僕の妻です。
一緒に乗せて貰っていいですか・・?」
警察官は頷くと
あたしたちをパトカーに誘導した。