魅惑のキスネコ!【完】

パトカーが緊急車両扱いで
グングンと他の車を抜き走る。

病院に行くのにパトカーって
変なの・・。
それになんでサイレンつけてるんだろ。


頭の中が妙に冷静。
そして自分で出した答えは
決していいものではなかった。


「・・サヤカちゃんは?」

あたしがポツリとジンに聞いた。


「警察に連れて行かれた。
現行犯で逮捕だったから。」


逮捕・・・。

サヤカちゃんが・・。
本当にあのサヤカちゃんが
こんなことを・・?


ジンがそっと
あたしの肩を抱き身を寄せる。
あたしはジンの肩に顔を埋めた。

でも目を瞑るのが怖くて
ジンのシャツの裾を
ギュッと握る。

ジンの心臓の音も
ドクドクと響いて聞こえた。


すぐに
大きな病院が見えてくる。

あたしとジンはパトカーから降りると
即効で救急車の出入り口へ走った。

どこから入ればいいか分からないけど
シュンはここから入ったはず。


はじめて来るこの総合病院。
嫌な緊張感がさらに増す。

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