魅惑のキスネコ!【完】
「ちょっと!
あなた達・・!」
救急車の搬送口に入ると
すぐに看護士らしき人に
止められた。
「いや、僕達は・・!」
「ご苦労様です。
先ほど搬送された
荒垣瞬の関係者です」
はっとして振り返ると
さっき運転をしてくれていた警察官が
真後ろに立って居た。
彼があたし達の変わりに
看護士にそう言うと
彼女は納得したように頷き
あたし達についてくるようにと促した。
ジンはその後姿をみながら
あたしの手をぎゅっと握る。
ジンの手はとても冷たかった。
緊張が伝わる。
手をつないだまま
あたし達は看護士のあとについて行った。
看護士は一つの扉の前で足を止める。
「まだ終わっていないので
ここで待っていてください。
中の者が声を掛けると思うので。」
「はい、
ありがとうございます。」
ジンが丁寧にお辞儀をした。
その間あたしは、
その部屋の扉に書かれた部屋の名前から
目を外す事が出来なかった。
”処置室”
処置。
処置・・?
処置って、どういう意味?