魅惑のキスネコ!【完】
7時過ぎに帰ってきたジンが夕飯を作ってくれている間、
あたしはベッドルームにポパイを連れ込み1対1になることにした。
今日はあのあと人間になる事はなく夜になってしまった。
ポパイは人間の時も言ってたけどジンのことが本当に嫌いみたい。
確かに、常日頃からジンの前に姿を現そうとしなかったし
朝だってジンが家から出るのを見計らってあたしの前に現れていた。
そして夜はジンの足音が聞こえるかドアベルが鳴るとさっさとどこかに隠れてしまう。
休日なんて、ほんとに姿を見せないから
心配になって敢えてあたしたちが外出するくらいだ。
あたしも、薄々気づいてはいたけど
やっぱり本人(本猫?)からはっきり言われて
ポパイのジン嫌いは確信に変わった。
だからってあたしと結婚しようだなんて。
寝室からどうにか逃げ出そうとドアのそばをうろうろしたり
がりがりしているポパイを見て呟く。
「無理でしょ;」
あたしはため息をつき
逃げようとするポパイの首根っこをつかんだ。
「ポパイ。」
首根っこを捕まれ、ポパイは気まずそうに鳴く。