魅惑のキスネコ!【完】
キスネコの甘い秘密
「今日燃えるごみだっけ?」
「うん、いつもありがと。
もう玄関置いといたから」
「そっか、サンキュ。
じゃぁそろそろ行こうかな」
「うん、あ、ネクタイ曲がってる」
あたしはジンの首元に手を伸ばし
ネクタイを直した。
「ありがとカナ。」
玄関に向かうジンの後ろを
ビジネスバックを持って追う。
靴を履き終わったらバッグを渡してにっこり一言。
「いってらっしゃい」
「うん、行って来る。
いい子にしててな」
「うん♪」
いってらっしゃいの、いつものキス。
そして見えなくなるまでジンを玄関から見送る。
ゴミ捨て場にゴミ袋を置いて
もう一度振り向いて手を振ってくれた。
優しい旦那様。大好き。
「♪」
あたしは玄関を閉め
幸せな気持ちでリビングに向かう。
リビングまでの廊下には
いつもこのタイミングで餌をおねだりしてくる
あたしの大親友のネコが・・・
「おはよーカナ。
ゴハンは?」
人間の姿で立っていた。