魅惑のキスネコ!【完】
慌てて身支度して靴を履く。
ポパイはもうさっさと一人で外に出てしまったから急がないと。
えーと・・財布、携帯、持ったよね。
あ、鍵鍵。よし。
がちゃっと玄関を開け真っ先に目に入ったのは
道端で喋りこむポパイと昨日の隣のおばちゃん。
「!!!!」
あたしは慌てて鍵を閉め、早足で二人の元へ行く。
「こここ、こんにちは大場さん」
「あら有馬のカナちゃん。こんにちは。
・・それじゃぁ・・またね」
そういうと話を伸ばす隙も見せずに
さっさと立ち去ってしまう。
ちらっちらっとこっちを見ながら
小走りで自分の家に入っていった。
え・・そ、それだけ??
おばちゃんのそっけない態度に
一瞬背筋が凍る。
まさか・・なんか誤解されてないよね・・?
いつもはめちゃくちゃおしゃべりなのに明らかに変。
あたしは横目でポパイを見る。
ポパイはそんなこと気にもせず
空を飛ぶ鳥や蝶を目で追っていた