魅惑のキスネコ!【完】
写真は、一枚だけじゃない。
お父さんとお母さんとポパイの写真。
あたしとポパイだけの写真。
お母さんとポパイの写真などなど。
この写真すべてに見覚えはある。
ポパイと一緒にとった写真なのも確かだ。
でも、人間の姿では絶対に撮ってないよ!
そもそも、ポパイが人間になりだしたのは
つい数日前じゃん!
頭の中ではそう叫ぶけれど
もちろん口にはしない。
とりあえずこの場を収めないと
ジンに最悪な形で誤解される危険性がある。
ジンは貸して。といい
その写真をじっくり眺める。
写真自体は数年前のものであたしの姿もみんなも少し若い。
緊張でどくんどくんと心臓が高鳴る。
全部の写真をみると
ジンはゆっくりと喋りだす。
「ポパイは、本名じゃないですよね?
お名前伺ってもいいですか?」
突然敬語になるジン。
親族だと理解したようだった。
そして当然の質問。
ポパイは待っていたかのように
即効で答える。
「ジンに答える義理はない。
この結婚に俺はずっと反対してたんだ。」
「なぜ・・ですか?」