魅惑のキスネコ!【完】
「ジンが嫌いだから。」
「だから、なぜ僕が嫌いなんですか」
「カナを独り占めしているから」
「独り占めって・・
そんな事していません。
カナには自由にさせているつもりです」
「じゃぁもしカナが俺になびいたら
奪ってもいいんだな」
「!」
ジンの目つきが一気に変わる。
「お前・・いいかげんにしろよ」
ジンの口から聞いたことのないような低い声が発せられた。
その瞬間
「おおおおにいちゃん、落ち着いて!ね?」
サヤカちゃんがいいタイミングで二人に割って入る。
「ただの冗談だよ、じょーだん!
ポパイさんも、変な事言って兄を挑発しないで下さい!」
ナイスサヤカちゃん!
あたしもガクガクと首を縦にふり
ポパイの腕を掴んで説得する。
「そ、そうだよ!ちょっと、冗談が過ぎるよ?
ね、ジンに謝って?」
女二人にそう言われたせいか
ポパイはふっと表情を和らげ口を開いた
「はいはい、ジョークだよジョーク。
そんなに怒らないでクダサイヨーだ。」
ボフッとソファの背もたれによっかかり足を組み
またさっきみたいにテレビを見つめる。
結局謝らないポパイ。
この頑固者!
リビングの空気が一気に悪くなっちゃったじゃん!