魅惑のキスネコ!【完】
ポパイは少し迷ってから
あたしを見て言う。
「嫌なんだよ。
カナとジンがいちゃつくから。」
「!!!なっ・・!!」
顔が一気に赤くなる。
いちゃつきなんてしない!って言いたいけど・・
いや、いちゃつくだろうな、家だし。
もちろんサヤカちゃんが帰ってからだけど。
「好きな子が、目の前で他の男といちゃつくとか。
どんな気持ちか考えたことある?」
ポパイがグッとあたしに近づいてくるから
あたしはつい後ずさる。
「なんで俺がジンの前に出たくないかなんて・・
自分で考えろよ。」
悔しそうにポパイが言った。
そして、そっと右手をあたしの顔に伸ばしてくる。
ビクッとあたしが震えると
ポパイは静かに囁く。
「唇。キスさせろ」
「ッ・・!」
反射的に、ぎゅっと目を瞑る。
ポパイの気配が近づいて。
チュッ・・・・
・・・っ・・・
・・・・
そっと目をあけると
いつも通りポパイの姿は消えていた。
同時に一瞬だけ
ネコの尻尾が寝室の方へ行くのが見えた気がした。