魅惑のキスネコ!【完】
寝室のドアの隙間から暗い廊下が見える。
「今の、なんの音・・?」
あたしが小さな声で言うと
ジンは黙ったままあたしにブランケットをかぶせ、
ベッドから降りた。
「ちょっと見てくる。」
パンツだけはいてジンは廊下へと消える。
間もなく廊下の電気がついて
あたしも慌てて身支度を整え廊下に顔を出す。
廊下の先でジンが突っ立っていた。
「どうだった?」
ジンに近づいていって聞くと肩をすくませる。
「ポパイだよ。
戸締りはちゃんとしてるし大丈夫。」
廊下には
割れた陶器製の花瓶の破片が散らばっていた。