魅惑のキスネコ!【完】
言わなきゃ、本当の事。
ジンなら分かってくれるはず。
ジンなら。
あたしが口を開こうとした瞬間
「いいから、アイツの事は。
イトコなんでしょ?信じるよ。」
「っ・・そ」そうじゃないの
「それで、今度あったら
ちゃんと彼からも許しもらう。
カナの家族だもんな。
ちゃんと挨拶しなかった僕の責任でもあるんだ」
「ジン・・」
ジンはにこっと笑うと
戸惑うあたしの頭をくしゃくしゃっと撫でた。
「この話はおーわり!
ほら、乾杯しよ乾杯。」
重いジョッキを持ち上げてジンはあたしを待つ。
あたしも、自分のグラスを持ち上げ
コツンと重ねる。
ゴクッ・・ゴクッ
いい音を鳴らしながら
一気に飲むジン。
・・言うタイミングをあっという間に失ってしまった。