魅惑のキスネコ!【完】
「治療、協力するから。」
「え?」
思いがけない一言に一瞬意味がわからない。
「不妊治療」
「!」
「僕が出来ることあったらなんでも言って?
出来る限りの事、するし。」
「ジン・・」
そう。
実は子供が出来ずらい事が分かって
あたしはそれをジンに報告しただけだった。
生理不順を放って置いた後悔と
現実をしった悲しみ、そして
ジンに対する罪悪感で
いっぱいいっぱいだったから。
そして、ジンにまだ言っていない事がある。
でもジンにはお見通しのようだ。
「・・自然妊娠、無理、なんでしょ?」
あたしは黙って俯く。
医者に、自然妊娠はまずないだろうと言われていた。
「・・なんで知ってるの・・?」
あたしは俯いたままジンに聞く。
「分かるよ。
カナのことなら、なんでも」
ジンのその言葉に泣きそうになる。