魅惑のキスネコ!【完】


「治療、協力するから。」


「え?」

思いがけない一言に一瞬意味がわからない。



「不妊治療」


「!」



「僕が出来ることあったらなんでも言って?
出来る限りの事、するし。」


「ジン・・」


そう。
実は子供が出来ずらい事が分かって
あたしはそれをジンに報告しただけだった。

生理不順を放って置いた後悔と
現実をしった悲しみ、そして

ジンに対する罪悪感で
いっぱいいっぱいだったから。


そして、ジンにまだ言っていない事がある。
でもジンにはお見通しのようだ。


「・・自然妊娠、無理、なんでしょ?」

あたしは黙って俯く。


医者に、自然妊娠はまずないだろうと言われていた。


「・・なんで知ってるの・・?」
あたしは俯いたままジンに聞く。


「分かるよ。
カナのことなら、なんでも」



ジンのその言葉に泣きそうになる。


< 76 / 255 >

この作品をシェア

pagetop