魅惑のキスネコ!【完】
ジンは立ち止まると
黙ってあたしを引き寄せた。
ぎゅっと抱きしめるとその耳元で囁く。
「・・なんて、嘘かも。
カナ分かりやすすぎ。
ずっと子供欲しがってたのに
最近はなんも言わないじゃん。」
「だって・・」
無理なんだもん・・
涙が溢れる。
ぎゅっとジンの胸に顔を埋めた。
「しかも働き始めるとか言い出すしさ。
カナはお母さんになりたいんだろ?
諦めるなよ!な?」
頭を優しく撫でてくる。
ダメ、もっと泣けてくるよ。
あたしはそのまま泣き続けてしまった。
なんでこんなにお見通しなんだろう。
なんでこんなに分かってくれるんだろう。
悪いのは、あたしなのに。
「カナのせいじゃない。
誰のせいでもないよ」
ジンの言葉が沁みる