魅惑のキスネコ!【完】

変なの。
と思いながらあたしは
他の料理の支度を進めることにした。


お味噌汁のだしをとり終えた鰹節を
おなべから救い上げる。
その中にさっき切ったお味噌汁の具を入れて
柔らかくなるのを待つ間にまな板を洗う。


「・・・・」

「・・・・」


チラッとポパイを見ると
凝視するようにポパイはこっちを見ていた。

「な・・何?」

「え?別に?見てるだけ」

ポパイはそう言うと
凝視し続ける。


・・・。
すっごいやりずらいんですけど。
人に見られてるとなんだか緊張しちゃうっていうか。。

手元からまな板がつるっと滑って
シンクに落としてしまう。

がしゃんっと大きな音をさせてしまい
ちょっと焦る。


「・・ポパイ、テレビでも見てきたら?」

「いい。今こっちみたいし」


うぅ・・・。


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