シロップ×シロップ  【完結】
赤いスポーツカーの車内は、甘い香りがした

『三人、起こしてくるから先に乗ってて』
と、キーを渡された

(芳香剤かな?いい香り)

あたしは助手席に座り、ナツメを待っていた

左ハンドル。外見同様、中もクールだった

余分な物はほとんどない

(あんまり女の子の車って感じしないなぁ)

ふと見ると、ミラーの所に古ぼけたお守りがかかっている

あちこちほころびていて、色もくすんでいる

明らかに車内で浮いた存在だった

「お待たせ」
ナツメが運転席のドアを開けた

「三人とも起きた?」

「たぶん・・・ね」
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