シロップ×シロップ 【完結】

「下宿館をつぶす？」

月曜日の朝

パンを口にくわえながら、パパに聞き返した

「ああ、急な事なんだけど･･･」

「なんで！？」
語尾が荒くなる

ママがサラダを持ってキッチンからやってきた

「おじいちゃんが亡くなったでしょ。親戚で話し合ったんだけど、誰も管理する人がいないのよ」

「パパがやればいいじゃん！？下宿館、東京でしょ。うち神奈川だから、そんな離れてないし」


―　おじいちゃんはお金持ちで、都内に大きな家を持っていた

おばあちゃんが亡くなってから、大きな家に一人で住むのが寂しかったのか
『ワシ、下宿館やるから』
と宣言し、実行に移した