シロップ×シロップ 【完結】

「いや、先日もこの絵を見ていたので･･･。気に入ったの？」

女の子は、はにかんだ様な笑顔を見せた
「絵の事はよくわからないんですけど･･･見た瞬間、作者の気持ちがわかったっていうか･･･」

「･･･ほぅ」
ヒロキは興味深そうにメガネを指であげた
「気持ちとは？」

女の子は少しためらった後
「たぶん･･･好きな人をあきらめようとしている時に、描いた絵だと思うんです」

「･････････。」
ヒロキが固まったまま、女の子を見つめる

「あっ！なんとなくそう思っただけで･･･空想です」
恥ずかしそうに手を振りながら女の子が言う