シロップ×シロップ  【完結】
「・・・わざわざ用意してたんだ。フラフープ」

「はい!ぼっちゃまに爺の元気な姿をお見せしようと!」
腰のひねりを加え、さらに回転速度があがる

「・・・相変わらず元気でよかったよ。で、母の容態は?」

ユーシンの言葉に、爺の腰の動きが止まる

「それが・・・いっこうに治る気配がなく」
レンガの上に落ちたフラフープを見つめ、爺がくやしそうにつぶやく
「今まで病気ひとつした事のなかった奥様が・・・おいたわしい」
瞳に涙をためている

(・・・マジかよ)
ここに来るまで、ユーシンは半分信じていなかった
いつものおふざけだろうと

そういう母だったから
< 297 / 1,191 >

この作品をシェア

pagetop