シロップ×シロップ  【完結】
『俺、ゆずるつもりないぜ?』
首里城でのナツメの言葉を、ユイは思い出していた
『正々堂々、戦おう』

今まで一度も見た事がない、真剣な顔だった

(ナツメ・・・)
運転席の後ろ姿を見る

首里城からここまでの車内、ナツメはいつも通りの態度だった
(・・・・・・ボクは?)
あまりの事に、何も考えられなかった

ずっと無言でうつむいていた

「ユーシン、車庫どこ?この庭広すぎ(笑)」
ナツメが辺りを見回す


(・・・・・・ボクは、自分も奈美が好きだとすら、言えなかった・・・)


― ナツメが大人だと初めて感じた

ユイはひざの上で、拳を握りしめていた
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