シロップ×シロップ  【完結】
両親の記憶はない・・・。


自分の存在を初めて確認した時から、孤児院にいた・・・。


周りは優しく、環境には恵まれていたと思う


ただ・・・



バルコニーに立ち、ナツメは海面から浮かぶ朝陽を眺めていた

水面が光を浴びて、眩しいほどにキラメいている


― ある時、店の後輩に聞かれた事がある

『先輩。金持ってるのに、なんで下宿なんかしてるんスか?』

職業柄、金には困っていない

不思議に思うのも当然だ


(家族・・・か)

豪華なマンションに住むのは、たやすい事だ

それをしないのは・・・
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