シロップ×シロップ  【完結】
(どこまで行くんだろ?)
友里は、ズンズン歩くユーシンの後ろ姿を見ながら思った

もうみんなの姿は見えなくなってるのに、まったく立ち止まる気配がない

周囲は木々に囲まれ、午後の優しい木漏れ日が、地面を照らしている

「あの・・・ユーシン?」
思い切って声をかけてみた

すると、肩先がピクリと反応し、歩みが止まった

そのまま振り向きもせずに、立ちつくしている


海風の音だけが、2人の間に流れた

「あのよ・・・」
ユーシンがゆっくりと振り返った

思わず身を固くする友里

ジッとユーシンの顔を見る

ユーシンは視線を外したまま、次の言葉のタイミングを探しているみたいだった
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