シロップ×シロップ  【完結】
「到着したみたいだね」
ユイが言った

辺りは、浴衣姿の家族連れやカップルでにぎわっていた

「きれぇ〜♪」
真っ先に外に出たリオが、夜空に咲く華々を見上げる

色とりどりの光が、舞っては儚く散っていく

「夢は、揺らぎ葉の様に・・・」
ヒロキがポツリとつぶやいた

以前、2人で見上げた夜空と同じだった

流れを止めた空に、光の色彩だけが咲いては消えてゆく

二度と戻る事のない時間

(・・・・・・・・・。)
携帯を取り出すと、ヒロキは何か文章をメールに打ち込んだ

そして送信はせず、そのままポケットへ
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