シロップ×シロップ  【完結】
「ホストをやめる?」
品のある、年輩の女性が驚いた顔で聞き返した

ナツメは軽く微笑むと、彼女のグラスに氷を追加した


― 六本木にあるホストクラブ

店内入り口にある男性陣の写真。中央の、一番大きな顔がナツメだった

「ナツメ君がやめたら・・・この店つぶれちゃうかも?」

「まさか」

「ずいぶんいきなりね・・・。沖縄の大自然に触れて、夜のネオンに嫌気がさしたの?」

「ははは」
ナツメが笑う

東京に戻って、三日目の夜だった。

「続ける理由がなくなったからですよ♪」

― 生まれ育った孤児院
[ひだまりの家]

そこに仕送りをする必要がなくなった事を伝える
< 779 / 1,191 >

この作品をシェア

pagetop