シロップ×シロップ  【完結】
(・・・・・・これは?)
玄関を出ると、ヒロキは目を疑った


「そろそろやって来る頃ですッ!」
数十メートル離れた正門に、テレビ局の中継車が何台も見えた
「警察でも解決できなかった誘拐事件を解決した、名探偵がこの門を通りますッ!」

(・・・マズいな)
顔が世間に知れるのは困る
(この分だと、裏門にも待機している可能性がある)

身を低くし、なめらかな足取りで門から見えない死角に潜む

(さて・・・どうしようか)
ヒロキはタバコに火をつけた



ガラガラ・・・
何かを引きずる様な物音に、目を向ける

― みすぼらしい洋服の少女が、大きな袋を引きずっていた
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