シロップ×シロップ  【完結】
「ぎょえええぇ〜ッ!!!」
咲子の叫びが4階にこだました

階下からの煙が、床から壁へと這い上がり始めている

「落ち着きなさいよッ!!」
奈美があわてふためく彼女の肩をつかんだ

「落ち着いてられるかボケーッ!!」
手を振りほどき、階段の方へ駆け寄る

三階はここより煙がヒドく、視界を確保するのさえ、困難な様に思われた

「いま動いたって無駄だって!消防車が来るの待つしかないよ・・・」
奈美がため息をつき、窓から外を見下ろす

周囲を自然に囲まれたこの城の火事に、いったい誰が、いつ気付いてくれるだろうか?
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