シロップ×シロップ 【完結】
― はずだった
「あたしのせいで死なれちゃ、気分悪いのよッ!!」
奈美の右手をつかむ咲子が、何かを叫んでいた
口にハンカチを丸ごとほおばり、鼻の穴にティッシュを詰め込んでいるから、意味はわからなかったが・・・。
「か、母さん・・・」
ベルモンは、炎に包まれた肖像画を前に立ちすくんでいた
「母さんッ!!」
脱いだ服で炎を叩く
火の粉が舞い、肌に刺さるような熱さを感じた
だがそれでも叩き続ける
「母さんッ!母さんッ!!」
目から涙がこぼれだした