シロップ×シロップ  【完結】
ベルモンは母の絵を見上げた
(母さん・・・)

炎に侵食されつつある母の姿

その表情は、ふだん見る顔とは違う気がした

いつもの見守る様な視線ではなく、悲しく、そして厳しく自分を突き放している
・・・そんな気がした

「母さん・・・」
ベルモンが床にヒザをつく


― リオという少年

あの男が言っていたのが事実なら・・・。

足元に燃え盛る炎の熱を感じる

このまま、思い出と共に燃え付きるのか?

それとも・・・

まぶたに落ちる汗をぬぐい、ベルモンは城外へと続く扉を見た

炎の隙間に、かげろうの様にゆらめく扉
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