シロップ×シロップ  【完結】
そのさびれた商店街は、今日も人通りがなかった

風が、道に落ちた木の葉を舞いあげる

― 無人街、そんな言葉がぴったりハマる場所・・・。

「今日も客は無しか・・・」
ラーメン屋の主人が、店のドアを開け、辺りを見回した

隣にある、喫茶店のマスターと目が合う

彼もまた、客を求め、店から顔を出したところだった

数秒見つめ合ったあと、お互い深いため息をつく

(スープの火、止めようかな)
ラーメン屋は店内に戻った

客が来ないのに、出汁を取ってるのはガス代の無駄だ

元栓を閉め、火を止める
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