シロップ×シロップ  【完結】
「やぁ、ユイくん。今日もよろしく頼むよ」
口ヒゲをたくわえた、品のある老人が店の奥のイスから立ち上がった

「はい」
ユイは、さまざまな骨董品が並べられた店内を見回した

電灯の代わりにランプで照らされたその空間は、どこか異国に来た印象を与える

「あ、これ新しく入荷したんですか?」
見るからに年代物の机を見つめた

「マホガニー製の机じゃよ」
老人はニコニコしながら
「気に入ったかね?」

「はい。きっと色んな人の生活に触れてきたんでしょうね」
ユイは指先で、そっと机にふれた
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