カーテンの中で
「キ・ス」

「ぅ、あ」

その吐息のくすぐったさ、ほのかなあたたかさに、一瞬、背筋が震えた。

ドキドキが、胸から喉、喉から頭へ伝わって、顔が信じらんないくらい熱くなる。

耐えきれずにキュッと縮こまった私を、彼はゆっくり撫でた。

頭にポンと置かれた手。髪を、する、する、とすいていく。

そしてまたほっぺたを撫でられ、そのまま、あごを優しく掴まれた。

「ぁっ」

クイと、うつむき加減だった顔が上へ向かせられる。

彼の視線に射抜かれるみたいに、目が見事に合った。
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