昼の月
こんなことを始めたのは、小学校3年生か4年生からだっただろうか。かわいらしいノートを見繕って来ては、なにかしら書いていた。それは日記のようであったり、詩であったり物語だったりと、色々で、毎回きっちりと日付とサインを書き込んでいた。初めの頃に使っていた何冊かはもう失くなってしまったけれど、小学校6年生からのは、ちゃんと残っていて、今でも時々見返している。
それはそれは汚い字、そして稚拙な文章で綴られていて、とても人様に見せられたものではないけれど。幼い私の、精一杯背伸びした言葉たち。少ない語彙を一生懸命駆使しているのがよくわかる。言ってしまえば、“駄作”ばかりだ。でも、あの頃の私にしか書けないものであったはずだから、棄ててしまおうとは思わない。
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