永遠(とわ)に果てぬ愛



その背中を見る限り、ある会社の会長に見えない。

それだけ、弱々しいように見える。



「勘当したのでしょう。
逢いたくないと思っていたので、連絡しませんでしたけど」



そんな背中に向けて、冷めた声で言う。



「自分の娘だぞ!?
こんな状況なら、逢いに来たさ」



まさか、そんなことを言われるとは思わなかった。

勘当しても、死と直面する状況なら、それは関係ないのか。



「そんな冷たいところは、父親とそっくりだな」



そう言い放つ。


嫌味だった。

娘のことは気になるけど、それを奪った父親は嫌いだってこと。

そして、私たち姉弟のこともどうでもいいのだろう。

そんな雰囲気が見てとれる。




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