永遠(とわ)に果てぬ愛
「怜央」
語尾にハートマークがついていそうなほど、甘い声でオレを呼んだ。
それが逆効果だって、分からないのかな。
オレは、素直に態度で示しているはずなのに。
「怜央さん、お久しぶりです」
コイツの親が挨拶してくるけど、それも無視して乃愛に冷たく言い放つ。
「何の用?」
「何って、婚約者なんだから一緒にいるの当たり前じゃない」
にっこり笑って言うけど、オレはため息しか出ない。
そう、一応形の上ではオレとコイツ、宝来乃愛は婚約者だ。
だけど、オレは昔からコイツが嫌いで、好きなのは和奏だけだった。