永遠(とわ)に果てぬ愛



だから、婚約者みたいなことは1度もしたことがない。

同じ学校ではあるけど、一緒にいたことはない。

隣にいることさえ嫌なのに。



「用がないなら戻るよ。直輝が待っているし」



そう言って戻ろうとするけど、腕をがっちり掴まれた。

それを、いきおいよく離した。

少し触れただけでも寒気がする。



「もー、そんなに照れなくてもいいのに」



呆れてしまう。

開いた口が塞がらないって、こういう時に使うんだと分かった。


この女、ずっとこうだ。

オレの態度を恥ずかしがっているからとか、照れているからとか、自分のいいように解釈する。

ポジティブというより、現実が見えていないだけ。




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