永遠(とわ)に果てぬ愛



怜央に聞こえないように、小声ですごむ。

そう言われたところで、私が言うこと聞くとでも思っているのだろうか。

あれだけ葬儀で言い合ったのに。

私が大人しく聞くはずがないと分かっているはずなのに、頭の中から消えているのだろうか。



「何やってんだ?」



小声でやり合っている私たちに、低い声が飛ぶ。

その声に、私に詰め寄っている人の手がびくりと震える。

そして、静かに私から離れた。



「別に、何もやっていませんよ」



微かにだけど、声が震えているような気がする。

あの時は、凄い威圧感があったのに、今はもの凄く小さく見える。

それだけ、怜央は怖い存在なのか。

ついため息が出てしまう。




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