永遠(とわ)に果てぬ愛
そんな時、急に腕を引っ張られた。
「和奏がここにいる理由は、コイツを捨てたアンタには関係ないことだ」
頭の上から、相変わらず低い声で言い放つ。
その声に、寒気すら感じる。
だけど、それとは裏腹に抱きしめる腕は優しかった。
「すっ、すいませんでしたっ」
よほど怖かったのか、慌てて走り去った。
走り去る時の表情は、青ざめていた。
ちょっとだけ、怜央の本性を見た気がした。
「大丈夫か?」
さつきとはうってかわって、優しい声で覗き込む。
「いい加減、離してよっ」
無理矢理引き剥がそうとした時、鋭い視線を感じた。
ゆっくりと感じた方をみると、さっき怜央と話していた子が見ていた。