永遠(とわ)に果てぬ愛



「早く起きないと遅刻だよ」



何事もなかったかのように言って、部屋から出て行った。

その言葉に、私はゆっくり時計を見る。



「えっ!?」



そのとたん、驚いた。

時計は、いつもなら家を出る時間を指していたのだから。

慌てて、ベッドから降りる。

そして、急いで準備をした。


おそらく、怜央に起こされた時点で寝坊していたのだろう。

それもそのはずだ。

昨日は、全然眠れなかったから。

祖父のせいもあるけど、何よりあの子。

私を睨みつけていたあの子のことが気になって、眠れなかった。

誰か分からないうえに、睨まれる理由も分からない。

そんな子が、なぜ怜央と笑顔で話していたのか。




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