永遠(とわ)に果てぬ愛



「あなた、お金ぐらいいいじゃありませんか。
これがあれば出て行くと言っているのですから。
それでいいじゃないですか」



イヤ、誰もそんなこと言っていないけどと、心の中で突っ込んだ。


だけど、祖母の本音が聞けた。

所詮、味方ではなく、敵なのだ。

ここにいる全員が、
「面倒は見ない。出て行け」
と言っているのだ。


そんな人たちに、最初から頼るつもりはない。

頼ったところで、私たちに自由はなさそうだから。



「仕方がない」



祖母の言葉に、渋々納得したらしい。

金持ちだったら、ケチくさいこと言うなと思うけど。


そんな風に呆れていると、祖母が私に向かって言った。



「それよりあなた、何て言葉遣いなの?
あなたのお祖父さんであって、会長なのよ?
きちんと敬語を遣いなさい」




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