永遠(とわ)に果てぬ愛
「ちょっと落ち着けって」
宥めるように怜央は言うけど、そんなことで納まるはずがない。
「アイツがどうしたっていうんだよ」
怜央の言い方にカチンときた。
“アイツ”なんて、親しそうな呼び方。
それが、決定的だと思った。
結局私は、遊ばれていたんだ。
あのお嬢様との恋に、利用されていただけなんだ。
「もう、分かった」
私は、怜央から離れた。
「もういい」
そう呟いて、屋上から出ようとした。
だけど、それは叶わなかった。
怜央が手を引いて止めたから。