永遠(とわ)に果てぬ愛
そう思って、屋上を出ようとした和奏を引き止め、抱き寄せた。
やっぱり、おかしい。
抱き寄せたのに、恥ずかしがることもなく、それどころか落ち込んでいるようにも見えた。
「婚約者いたの、黙っていたことは謝る」
状況はよく分からないけど、ここは素直に謝った。
「だけどアレは、親が勝手に決めたものだから。オレにはいらないもの」
オレが欲しいのは、和奏だけなんだ。
それ以外は、何もいらない。
アレは、利用しているだけだ。
「え?でも、親が決めたのなら絶対なんじゃないの?」
和奏が少し顔を上げて、そう聞いてきた。
狙ってはいないのだろうけど、その上目遣いクる。