永遠(とわ)に果てぬ愛
私もこんなところから早く出たくて、拓海を促して立ち上がる。
「嫌っていたわりには、父の性格をよくご存じですね。
もちろん、2度と来ようとは思いません。
逢いたくもない」
嫌味には嫌味を返して、祖父の家を出た。
「僕、すっごくハラハラしたんだけど。
姉さんも、負けず嫌いだからって言い過ぎだよ」
帰り道、歩きながら拓海が言った。
「だって、ムカついたんだよ。
それに、最初にああ言えば、今後関わろうとは思わないでしょ」
「まぁ、確かにね」
初めから仲良くするつもりはなかった。
話しは聞いてくれても、お母さんに関することだけだった。
本来なら、未成年である私たちを助けるべき人たちなのだろうけど、そんなこと当てにしていなかった。