永遠(とわ)に果てぬ愛



私もこんなところから早く出たくて、拓海を促して立ち上がる。



「嫌っていたわりには、父の性格をよくご存じですね。
もちろん、2度と来ようとは思いません。
逢いたくもない」



嫌味には嫌味を返して、祖父の家を出た。





「僕、すっごくハラハラしたんだけど。
姉さんも、負けず嫌いだからって言い過ぎだよ」



帰り道、歩きながら拓海が言った。



「だって、ムカついたんだよ。
それに、最初にああ言えば、今後関わろうとは思わないでしょ」


「まぁ、確かにね」



初めから仲良くするつもりはなかった。

話しは聞いてくれても、お母さんに関することだけだった。

本来なら、未成年である私たちを助けるべき人たちなのだろうけど、そんなこと当てにしていなかった。




< 18 / 620 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop