永遠(とわ)に果てぬ愛



「だけど、これからどうするつもり?
遺産だけじゃ、暮らしていけないよ?」



拓海の言う通りだった。

思った以上に遺産は少なく、家を売っても長くは暮らせない。

未成年では、アパートを借りることさえ出来ない。


少し考えてから私は、携帯を取り出して、電話をかける。


「あ、莉奈?ちょっと、お願いがあるんだけど」



電話の相手は、私の親友である深町莉奈。

家族ぐるみて仲が良かった。



『久しぶりじゃん、どうした?
ってか、何怒ってんの?』



何も言っていないし、見てもいないのに、声のトーンだけで怒っていると見抜いた。

さすが親友だと、妙なところで感心してしまう。




< 19 / 620 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop