永遠(とわ)に果てぬ愛
「だけど、これからどうするつもり?
遺産だけじゃ、暮らしていけないよ?」
拓海の言う通りだった。
思った以上に遺産は少なく、家を売っても長くは暮らせない。
未成年では、アパートを借りることさえ出来ない。
少し考えてから私は、携帯を取り出して、電話をかける。
「あ、莉奈?ちょっと、お願いがあるんだけど」
電話の相手は、私の親友である深町莉奈。
家族ぐるみて仲が良かった。
『久しぶりじゃん、どうした?
ってか、何怒ってんの?』
何も言っていないし、見てもいないのに、声のトーンだけで怒っていると見抜いた。
さすが親友だと、妙なところで感心してしまう。