永遠(とわ)に果てぬ愛



心配かけないように笑顔で言う。

そんなに血は出ていないから、すぐ止まるだろう。

落ちたせいで、あちこち痛いのはあるけど。



「凄い音がしたんだ。大丈夫な訳、ないよね?」



呆れたように言われた。

だってこれは、自業自得なんだもん。

だから、迷惑をかける訳にはいかないのに、越智くんは私に近づき手を引く。



「保健室、行くよ」



そう言って、私の手を引いたまま歩き出す。



「えっ、いいよっ」



焦って越智くんを止めるけど、それでも歩く。

それに反して、私も止まろうと力を入れる。

ふと、越智くんが振り向いて優しい笑顔を見せる。




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